Ahroun・Ahroun

アーロウン・アーロウン
ここは定期更新ゲームの関連サイトです。
現在の内容は【False Island】【精霊伝説】等。
何か思いついたものを適当に描いたり載せたりします。厨設定とか多いので駄目っぽい人はスルー推奨。
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# 【精霊日誌】第二十五日
精霊協会に入ってからと言うもの然程駆けずり回らずとも金と時間が入るようになり、男は次第に手持ち無沙汰になっている事を自覚していた。
仕事の無い日は朝から今居る宿一階の酒場に出向き、思う様好きな酒を食らう何てこともしては見たがそれもそう長く続くわけでもない。

「精霊協会の会員証は、それはもう最高のパスポートだよ。
 ランディは宝探しとか秘境廻りとかさ…衣食住以外での目的とかは無いの?
 そりゃ衣食住が整ってるだけでも最高の環境だけどそれだと持て余すぞ」


バラーに言われた言葉を思い出す。
それは現状、確かにそういう感じだった。
こりゃ金持ちのボンボンが馬鹿になって腐るのも判るわ、と頭の端で考える。
いや、金持ちのボンボンの方が稼ぎを作る仕事も無くていいから余程酷いだろう。

こりゃどうにかしないと駄目だな、と色々考えてみた。
自分と同じ“精霊が見える”という者の情報を探す為に協会が集めている資料書庫へ入る許可を貰ってみたりもした。
…が、本来普通の物語本ですら読むことが稀な人間がそういった場に入って根気良く何かができるかと言えばそうではなく、果てしない資料の山、本の城壁に半日とたたず根負けしてしまっていた。
協会の司書にいくつかそれらしい本を見繕ってもらい、宿で目を通しては見たものの小難しい文体やそもそも意味の判らない単語が多すぎる上に、調べる物が物なだけに曖昧な表現ばかりで半分も理解できる気がしなかった。


調べ物がだめならせめて身体を鈍らせないために何かやろうかと、此処暫く依頼を受けている精霊兵の研究施設に足を向けてみたが「此方からの依頼で来てもらう以外は必要ない」と門前払いを食らった。
門柱の一本でも蹴倒してやりたくなったが、まだ依頼を受ける予定があって目をつけられると面倒なのでやめた。

「こりゃ何とかしねえと本格的に腐っちまうなあ。」

こうなってくると以前まで自分が身を置いていた戦場が恋しくなってくる。
あの場所では誰もが自由に戦い、死んでいった。
暇を余す時など無く…無論それをその頃は疎ましく思う事もあったが。
手放すと恋しくなるっていうのはこういうものかね、とぼんやり考える。

何処へとも無く足は人の無い方向、郊外へと向いていた。
協会の信用が増せばもっと刺激のある場へ赴く事もあるのだろうか?
それこそ、依頼を受けて戦場で大剣を振るう事もあるのかもしれない。
もしくはどこぞの英雄譚のように巨龍の巣へ向かう事も?
考えてみれば、楽して稼ぎたいという望みはあってもそれは大金持ちになりたいというのとはまた少し違っていた。
金を持ちすぎると面倒な人間や面倒な書類がわんさと増える事を知っている。
どこかに定住をする気も無く、そういった面倒に巻き込まれるのは御免だった。
自分が食って住んで少し遊ぶだけの金が手元に何時もあればいい。

美しいものや人を阻む場へ行こうというつもりもまた、無かった。
そういう場所にはシーが、精霊が多く居ついているのを知っているからだ。
そしてそういう場所のシーは大きく、強く、何かあった時に自分が対処できない物ばかりだ。
そういうものとは出来れば会うのも御免だった。
目をつけられて命を脅かされても困る。

足はくるりと反転して、何をするでもなく街の方へと戻っていく。
遠くに観劇場の石壁が見える、この際この街の娯楽を極めてみるのもアリかもしれない。

「…俺って欲が無いのかねェ。」

そう言いながらふと視線を動かすと、風に乗ってふわりと甘い香りが鼻に届いた。
視線の先に女が見えた。
まだ少し距離があって、向こうはこちらに気がついていないようだった…というより、何かあったのかは判らないがその目から大粒の涙を流し、その瞳を白い柳のような指と手で覆っているようだった。

一瞬、その手が顔から離れる。
思わず息を呑むほどの絶世の美女って奴だ。
その容姿はあまりにも蟲惑的に出来すぎていた。

生唾を飲んでいた。
あんな美人は後にも先にも、そう思って手を伸ばした瞬間、

“何か”がするりとその指に絡まった

ぼんやりと仄暗く光る髪のようなもの。
その目の前の美女と同じような、真っ黒で長く、艶やかな、髪。
その髪の、指に絡まり、垂れ下がった先の地面に男は目を向ける。

何故気がつかなかったのか、その地面には沼のような暗がりが広がっていた。
指に絡む髪はその沼の端から、影を引き伸ばしたように伸びていた。
時折気がついたようにぼこぼこと沼の表が泡立つ。
女を中心に、真っ黒な沼が広がっている。
そしてその沼の中から大小さまざまな目が男を好奇の対象として覗いていた。
男、女、赤子、老人、犬、猫、鳥、馬、ネズミ…中には見たことも無いものまで。
じっと、その数刻、何千という視線に穿たれる。
そしてその表情はどこかフワフワと、嬉しそうに、幸せそうに…。

血の気が音を立てて引いていくのを感じた。
喉から変な空気音が漏れると同時に、その指に絡んだものを払う。

真っ黒な沼に瞬間、色がついた。
ボコボコと赤い泡が沸き立つ。まるで怒りを示すかのように。
沼の中の有象無象が一斉に口を動かす、声は男には聞こえない。

ただ

「何故」「何故」「何故」

と其れ等の口は繰り返す。

たぶん、あそこに向かってその白い手をとってしまえば俺はアレ等の一部となってしまうのだろう。
ぬるく、ただ詰め込まれた幸福感だけをあの女に与えられた"得体の知れぬモノ”に。
ゾワゾワと首の後ろ、うなじの毛が逆立つのを感じた。
勘弁してくれ、声にならない声で男は呟いた。
そしてこの見えるこの目に悪態を付き、すぐに感謝した。
もうその美女に声を掛けようなんて気も起こらない、
今の男にその女はただ“何か恐ろしいものが人の形を取っている”としか思えなかった。
足はくるりとその影から反対側へ向き、一目散に街へと向かっていった。



【 Eno-96 キワコさんに許可を頂き、お借りしています 】
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